「災害に強い家をめざして」最終回は、今お住まいの家でできる備えについてです。
これまで、地震、台風・大雨、停電・断水への対策をご紹介してきました。
「大切なのはわかったけれど、わが家は何から始めればよいのだろう」。
そう感じた方もいらっしゃるかもしれません。
防災のために、すべてを一度に新しくする必要はありません。
まずは現状を知り、優先順位をつけることから始めましょう。

最初の一歩は、住まいの状態を知ること
同じ築年数でも、建物の構造や増改築の履歴、日頃の維持管理によって状態は異なります。
外観がきれいな家でも、床下や壁の中に劣化が進んでいることがあります。
例えば、雨漏りを繰り返している場所、以前より開閉しにくくなった窓や扉、床の沈みが気になる場所などは、点検の際に伝えておきたい情報です。
気になる変化を写真やメモに残しておくと、状況を説明しやすくなります。
ただし、こうした症状だけで耐震性を判断することはできません。
図面や工事の記録があれば準備し、必要に応じて専門家による耐震診断や詳しい調査につなげましょう。
耐震リフォームは、家全体のバランスで考える
耐震性を高める工事には、壁の補強、接合部の補強、基礎への対策など、さまざまな方法があります。
どの工事が必要かは、建物の状態によって変わります。
気になる壁を一か所強くするだけでは、家全体として十分な改善にならないこともあります。
劣化している部分の修繕を含め、建物全体のバランスを確認したうえで計画することが大切です。
間取りを変えるリノベーションでは、希望する空間が構造にどう影響するかも検討が必要です。
広いリビングにしたい、窓を大きくしたいという希望も、安心して長く使える方法を一緒に考えていきましょう。
いつものリフォームが、防災を考える機会に
外壁や屋根のメンテナンス、窓の交換などは、防災の視点を加えるよい機会です。
外壁工事なら雨漏りの原因や下地の状態、窓の工事なら断熱性と合わせて雨戸・シャッターの必要性を確認できます。
内装を大きく改修するなら、壁を開く範囲に合わせて、耐震補強や断熱改修を検討できる場合もあります。
工事をまとめることで、作業の重複を減らせることがありますが、効果や費用は建物の状態によって異なります。
建築のひら木が大切にしているのは、目の前の不具合だけでなく、その原因まで確かめることです。
限られたご予算の中で、暮らしの質と安心につながる工事を考えます。
優先順位は「安全」「傷み」「暮らし」から
何から取り組むか迷ったら、まずは倒壊や落下など、家族の安全に関わる心配がないかを確認します。
次に、雨漏りや腐食など、放置すると傷みが広がる問題を整理します。
そのうえで、停電への備えや断熱性など、暮らしを支える改善を検討します。
もちろん、必要な順番は住まいごとに違います。
浸水のリスクや家族構成、今後何年くらい住み続けたいかも含めて、無理のない計画を立てることが大切です。
工事と合わせて、家具の固定、出入口の整理、備蓄の確認、家族の連絡方法や避難先の共有も進めましょう。
小さな見直しを積み重ねることが、いざというときの行動を支えます。
これからの暮らしを守るために
4回にわたってお届けした「災害に強い家をめざして」。
私たちが考える安心な住まいは、建物の強さに、災害後の暮らしを支える工夫と、日頃の備えを重ねたものです。
「今の家を長く大切に使いたい」「リフォームするなら、安全性も見直したい」。
そんな想いがありましたら、建築のひら木へご相談ください。
お住まいの状態とご家族の希望を伺いながら、これからの暮らしに必要な備えを一緒に考えます。
参考情報
国土交通省:住宅・建築物の耐震化について
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_fr_000043.html

