リノベーションの魅力は、単に新築より費用を抑えられる可能性があることだけではありません。
今ある建物の良さを活かしながら、自分たちの暮らしに合わせて住まいを再生できることに、大きな価値があります。

中古住宅の中には、現在ではなかなか手に入らない、立派な柱や梁、無垢材の建具などが使われている建物があります。
長い年月を経た木材には、新しい材料とは違った風合いや味わいがあります。
それらをすべて壊してしまうのではなく、残せる部分を活かしながら、新しいデザインや設備と組み合わせることができます。
また、長く暮らしてきたご自宅をリノベーションする場合は、家族の思い出を残せることも大きな魅力です。
子どもの成長を見守ってきた柱や、家族が集まった居間、親から受け継いだ住まい。
すべてを新しくするのではなく、大切な部分を残しながら、これからの暮らしに合う住まいへとつなげていくことができます。
暮らし方の変化に合わせて、間取りを見直せることもリノベーションの良さです。
子育て中は家族で過ごしやすい間取りが必要ですが、子どもが独立した後は、夫婦二人で暮らしやすい住まいへ変えていく必要があります。
使用していない部屋をLDKに取り込んだり、1階だけで生活が完結する間取りに変更したりすることで、将来を見据えた住まいづくりができます。
段差をなくす、引戸を増やす、廊下や出入口を広くする、寝室の近くにトイレを設けるなど、年齢を重ねても暮らしやすい工夫を取り入れることも可能です。
そして、既存の建物を活かすリノベーションは、廃棄物を減らし、限りある資源を有効に使うことにもつながります。
建物を解体して建て替える場合、多くの廃材が発生します。
使用できる構造や材料を残して再利用することは、環境への負担を減らす住まいづくりでもあります。
もちろん、残すことだけを優先するのではなく、劣化した部分や性能が不足している部分は、しっかりと改修する必要があります。
「残す部分」と「新しくする部分」を見極め、費用をかける優先順位を整理することが、満足度の高いリノベーションにつながります。
新しいものだけに価値があるのではありません。
今ある住まいの良さを見つけ、これからの暮らしに合わせて新しい価値を加える。
それが、リノベーションならではの魅力です。
次回は、後悔しないリノベーションを行うために、事前に確認しておきたいポイントをご紹介します。

